AkashAダイスケのMY"鋼鉄"LIFE

バンドの事や楽器機材・料理・プライベートや好きな事を赤裸々に綴るブログ

メタラーから批判殺到している広瀬すず主演「一度死んでみた」の楽曲について、メタルバンドマンとしての見解を書いてみる

AkashA(アカーシャ)ダイスケです🤘

 

今日はちょっと話題のトピックスから。

 

先日、3月20日に公開される広瀬すず主演映画「一度死んでみた」

劇中に広瀬すずちゃんが演じる女子大生、七瀬が所属するデスメタルバンド"魂ズ"のMVが公開されるや否や、僕の界隈でも話題となりました。

 

 

 

映画「一度死んでみた」紹介


 

movies.shochiku.co.jp

 

 

映画のあらすじはこちら。

 

STORY
父親のことが大嫌い、いまだ反抗期を引きずっている女子大生の七瀬(広瀬すず)。売れないデスメタルバンドでボーカルをしている彼女は、
ライブで「 一度死んでくれ! 」と父・計(堤真一)への不満をシャウトするのが日常だった。

そんなある日、計が本当に死んでしまった との知らせが。
実は計が経営する製薬会社で偶然発明された「2日だけ死んじゃう薬」 を飲んだためで、計は仮死状態にあるのだった。
ところが、計を亡き者にしようとするライバル会社の陰謀で、計は本当に火葬されてしまいそうに大嫌いだったはずの父の、絶体絶命のピンチ に直面した七瀬は、存在感が無さすぎて“ゴースト”と呼ばれている計の部下・松岡(吉沢亮)とともに、父を救うため立ち上がることを決意する。

火葬までのタイムリミットは2日間。はたして七瀬は無事、計を生き返らせることができるのか――!?引用元:松竹株式会社公式サイト

 

ジャンルとしてはコメディですね。広瀬すずちゃんがコメディ映画初主演ということで、映画界では大ヒット間違いなしと言われている今作ですが、

 

大批判が巻き起こっているのがこのデスメタルバンド"魂ズ"のMV。


広瀬すず、デスメタ熱唱&ヘドバン!『一度死んでみた』魂ズMV

 

 

「そもそもどこがデスメタルバンドなんだよ。」

「デスヴォイスで歌ってないのにデスメタルバンドって言うんじゃねー」

「ヒャダイン?デスメタル舐めてんのか?」

 

Twitterではメタラー(メタルヘッズ)のツイートがどんどんリツイートされて僕のTL上に溢れかえってました。

 

僕の周りのメタルバンドの仲間も意見が真っ二つに割れてて、

「全然デスメタルじゃねーし」って意見と

「確かに楽曲には納得できないけど、楽しめる内容ならいいんじゃない?」って意見が見受けられました。

 

 

そもそもデスメタルって何?


 

デスメタルって「デス」って付くくらいだからなんか怖いな・・・しかもあの激しい音楽のメタルと合わさっちゃってるんだもの・・・

一般の人にはこんなイメージがあると思います。そんな人へ「デスメタル」について詳しい事をJAPANESE HR/HM INFO WEB MAGAZINE METAL JAPANさんが記事にされているのでご紹介します。

 

heavy-metal.jp

 

こちらの記事にも書かれている通り、

デスメタルは

死や殺人を主題としたとことん激しいヘヴィメタル 

 

それがデスメタルデス🤘

 

僕にとってデスメタルといえば、

  • CANNIBAL CORPSE
  • MORBID ANGEL
  • OBITUARY
  • DEATH

 

ちなみに、Beast Feast2001で来日したMORBID ANGELを生で見た時、あまりの音のデカさに鼓膜がブチ破れるかと思いました。当時僕は中学二年生だったんだけど、今となってはこの伝説的なフェスに参戦したのは超貴重な思い出です。

 

それでは、それぞれのバンドの楽曲を聴いてみましょう。


Cannibal Corpse - Devoured By Vermin

 


Lord Of All Fevers And Plague - Morbid Angel

 


Obituary - Slowly We Rot

 


Death - Symbolic

 

どの曲にも言えるように、まず全てヴォーカルはシャウト。おぞましい程に歪んだ声。

これを俗に"デスヴォイス"と言い、僕達AkashAの楽曲にも取り入れている歌唱法です。

 


AkashA"Voice"2019.9.16新宿Wild Side Tokyo Wirbelwind 1st Album Release GIG"BATTLE FIELDvol.1"

 

楽曲自体はオーセンティックなヘヴィメタルを更に速く・重くしたのが特徴。

本物のデスメタルを理解してもらった上で、もう一度広瀬すずちゃんの"魂ズ"の曲を聴いてみてください。

 


広瀬すず、デスメタ熱唱&ヘドバン!『一度死んでみた』魂ズMV

 

・・・なんかちょっと違う。というか、全然デスメタルじゃないですよね。

楽曲のオケ自体はメタルメタルしいのですが、上記に説明した通り広瀬すずちゃんはデスヴォイスで歌ってないし、どこかBABYMETAL然しています。

 

要するにこれが今、メタルリスナーやメタルバンドマン達から批判を受けている部分なんだよね。更に、劇伴を担当したのが人気音楽クリエイターのヒャダインさんと言うこともあって、批判はここにまで及んでいます。

「メタルのメの字も知らない奴が、デスメタルを語るんじゃねーよ!」ってな具合で。

 

 

僕個人的にも、なんでヒャダインなの?って思ったけども、人気映画を作る為には人気音楽クリエイターを起用するのも一つの手。確かに本当のデスメタルの楽曲を劇中に使用したいとなれば、日本にもデスメタルバンドはたくさんいる訳で、本物に頼めばいい。

 

でも、広瀬すずちゃんが本物のデスメタルをやることが出来るのか?って考えたら、そりゃ到底無理な話だし、そもそもデスヴォイスは誰もが出来る訳ではなく、世界的にも歌唱法の一つとして確立されているものなので、一朝一夕でそれを習得するのもまず無理。一般リスナーに受け入れられるのか?と言ったらそれもそれで到底無理な話な訳です。

 

この論争は度々巻き起こっていた


 

昔、当時僕もハマっていたデトロイト・メタル・シティが映画化された時にも


デトロイト・メタル・シティ

 

同じように意見が真っ二つに分かれました。

原作が好きな人からすれば、それなりに再現されていたんだけども、いつも批判の的になるのは曲の事。

この時もこれはデスメタルじゃない!って凄かったっけ。

でも、クラウザーさん大好きだし、映画自体面白かったから映画館に2回足を運びました。しかもDVDも買っちゃったし。この間Netflixで久々に見たけど面白かったなー。

 

でも、しょうがないよね。メタルバンドマンとしてあえて言いますが、そもそもメタル自体、日本ではまだまだ普及していなくて、更にデスメタルともなればその認知度もオーセンティックなメタルに遙か及ばない程低い。

 

メタルをグッと認知させた存在


 

ここ数年でメタルというものをもっとカジュアルなものにした、もしくは幅広く一般の人にも受け入れられるようになったのはBABYMETALの出現によるものが大きいと個人的には思ってます。

 

アイドル×メタルという異色な掛け合わせが当然物議を醸したけども、全世界で大人気となり、バックバンドのメンバーが凄いということもあり、更にその人気ぶりは海外の大物メタルバンド達がBABYMETALのファンと公言している事など、"偏見"を持つメタラーもどんどんと認めざるを得ない状況になっていったと思います。

 

 

 

硬派な音楽こそがメタル。故に批判が巻き起こる


 

"偏見"を持つメタラーとは言ったけども、メタル信者はとても"硬派"な人が非常に多くて、これはこうじゃなきゃだめだ!というある種の敬愛や崇高を掲げ、高い思想・理想を自身が好きなメタルジャンルやバンドに対し抱いている人が多い。

もしかしたらメタル特有かもしれないし、そうじゃないかもしれないけど。

何れにしても超コアなファンが多い。

 

メタルに限らず音楽に限らず、こう言った評価は必ずつきものだよね。

急に路線が変われば、それまでのファンが離れていったり。逆に新しいファンを獲得できたり。

表現者として嬉しいような悲しいようなそんなコアなファンが多いのも事実です。

それを老害と捉えるのか、そうじゃないと捉えるのか別として、何れにしても賛美両論分かれる事をやっているのがアーティストなわけ。

 

今回の一件に関しては、この硬派な人達からの批判が物凄いものなんだなと思っています。

「デスメタルじゃないのにデスメタルと語るな!」っていうね。

 

映画という立ち位置の問題


この映画は、いちエンターテイメントとして見たら、僕は全然OKかなと思ってる。

 

メタルバンドマンだからこそ言うけども、メタルをやっているバンドマンとしての目線で見たら、それはそれは楽曲だってこれは違うなと思うよ。でも、これは映画だから。

バンドマン目線は正直必要ない。だって、本当のデスメタルの楽曲を使ったら、一般客の足なんぞ遠くなる訳で、映画の興収だって下がる要因にもなるだろうしね。

 

そもそもメタル自体あまり日の目を見ない音楽ジャンルな訳で、それを人気女優の広瀬すずちゃんがバリバリメタルよろしくな服装を身に纏って(ちょっとパンクっぽいけども、)ヘッドバンギングして、メロイックサインを掲げるんだよ。こんな可愛い女優さんが今まで触れることはなかった、否、これからの人生でも触れることはないであろう"メタル"に仕事でありながらも触れてくれて、知らないながらも演技として表現してくれている。

 

今回、広瀬すずちゃんに演技指導したのがツインビッチメタルコアバンドFAKE ISLANDのVoエリカ氏っていうのにもびっくりした。

 

 もうそれだけでも、映画監督の気概を感じられるよね。だって現役バリバリの女性メタルコアVoに演技指導を師事してるんだもの。

ただ、楽曲をガチのデスメタルに出来ない理由は上記に述べた事も含めてたくさんあるわけです。

 

それでもこうして世間様にデスメタルって何?メタルって何?って思ってもらえることは僕らメタルバンドマンにとっても非常に良い方向ではあるし、この映画を通じてデスメタルはこれっていう間違った捉え方をされるのも正直なところ嫌な部分ではある。

 

「一度死んでみた」をメタルバンドマンとしてどう捉えるか?


 

元々メタル自体が偏った音楽性だし、J-POPなどを主体に聴いている人からすれば、ある意味パンドラの箱でもある。

 

この映画は、あえて"デスメタル"という音楽ジャンルの名称を表に出すことで、

怖いもの見たさ的な人間心理を突いているんじゃないかなと思うし、本物のデスメタルを敬愛しているメタラーからの批判を受けることで更に映画の認知度を高めるための炎上商法を狙っているんじゃないかなと個人的に感じている。

 

ただでさえ硬派なメタル信者。そりゃ批判もするよね。

 

でも、僕としては先程も書いた通り、いちエンターテイメントとして、いち映画として楽しめばそれでいいんじゃないかなって。

 

デスメタルがどうっていう定義はこの映画に全く必要はないし、それよりもまず映画としてのストーリー構成や俳優さん達の演技はどうなのか?映画として評価した方がいいんじゃないかな。まだまだ公開前のこのタイミングで批判を食いまくっているなんてネットニュースのトップに取り上げられたら、そもそもネガティブな記事が大好きな日本人は皆食いつくよね。うってつけの宣伝効果だと思います。メタラーが反応すればする程ね。

 

実際公開されて、映画としての評価を下すのが大事。劇中の音楽じゃない。映画は映画。

 

今回お父さんが仮死状態となり、もしかしたら本当に死んでしまうかもしれない。というコメディでありながら人の生き死について描かれています。デスメタルも死を主題にしたメタル。それを考えると「一度死んでみた」にはデスメタルというカテゴリーが不思議と当てはまってくる。マテリアルとして必要不可欠だったのがデスメタルということになるんだよね。

 

あくまで映画のマテリアルとして今回デスメタルが取り上げられただけで、主題は別のところにある。

 

要するにこれは映画だから。

 

個人的にだけど広瀬すずちゃんがメタルやってくれてるってことがちょっと嬉しいよね。

どんな形であれ、これでまたメタルというジャンルが世間一般の人に知れ渡る機会だと思う。あとは、それでメタルの魅力にどっぷりとハマってもらえるかもらえないかは、ステージに立つ自分達次第だもの。

 

「一度死んでみた」

邦画はあまり見ないんだけど、公開されたら観に行こうかな。広瀬すずちゃんのメタルっぷりを拝みに。

こんな可愛い子がメタルだぜ?見るしかないでしょ。楽しみだな。

 

 

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